文科省が教授会を“ただの意見係”にした理由がヤバい!!!

たしょまの報道
たしょま
たしょま

みんなこんにちは、哲学系大学院生のたしょまだよ〜

たしょま
たしょま

今日はね、
2014年の学校教育法改正で、教授会の権限が“決定機関じゃなくて、ただ意見を言うだけの存在”に格下げされた理由 を、深掘りしていきたいと思います(学校教育法 第93条)。

1、文科省「ボクの言うことに従え!!!」

たしょま
たしょま

まず文科省は、2014年に出した「学校教育法及び国立大学法人等の改正の考え方について」というスライドにて、このようなことを述べています。

法人化した国公立大学では、
学部長の選考や教員の採用等の手続きは、
任命権者である学長・理事長の責任と権限の下で整備できる。
ところが、教育公務員特例法の適用下で策定された内部規則等がそのまま引き継がれている例が多々あり
⇒ 内部規則の総点検・見直し、教員の意識改革の必要性
(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/09/18/1351903_1.pdf、p. 6。 2025年12月8日閲覧)

たしょま
たしょま

これってさ〜

たしょま
たしょま

「みんな(大学教員)がボク(文科省)の言うこと聞かないから、先生(国会)にお願いしてルール(法律)を変えてもらお〜!」
……ってことだよね?

たしょま
たしょま

小学生レベルの発想じゃない??

たしょま
たしょま

文科省という賢い人たちがいっぱいいる素晴らしい組織が、一方的に自分の考えを押し付けるなんて正直残念だな〜って思う。

2、「企業のために働いて?」

たしょま
たしょま

文科省は独裁を強めた法律に変えた理由について、このようなことを述べていたよ〜

「知識基盤社会」の到来、ICTの普及、急速なグローバル化の進展をはじめとする社会環境の急激な変化
グローバル人材の育成、イノベーションの創出、経済再生、地域再生・活性化等、大学に対する社会からの期待の高まり
(出典同上、p. 3。)

たしょま
たしょま

地域連携はまだ分かるけれど…

たしょま
たしょま

「経済再生、地域再生・活性化等」?「グローバル人材の育成」?

たしょま
たしょま

これってさ、「企業のために動け!!!」ってことでしょ?

3、今の大学にはスピード感がない!!!

たしょま
たしょま

さらに文科省はこう言っている。

「一連のガバナンス改革の議論に通底するのは、自主性・自律性が尊重される大学は、自ら率先して時代の変化に対応した自己改革を行っていくべきであり、また、そのために大学を内側から改革しようと努力している人々に対して、力強く支援すべきではないかという基本的な理念である。」
(出典同上、p. 4。)

たしょま
たしょま

大学も時代に合わせて改革する必要はあるのかもしれない。

たしょま
たしょま

その方針は大学の会議で決めるべきことで、文科省がいちいち口を出すのは違わない?

たしょま
たしょま

そこまで介入するのであれば、教授たちと大学経営側の間で対立を生まない方向で法律などを調整すべきでは?

たしょま
たしょま

なぜ、より一層対立を深めるような法律に改正したの?

たしょま
たしょま

それに、「改革に取り組む人たち」というのは結局、学長など経営側のことを指しているんでしょう?

たしょま
たしょま

あと、この引用スライドの別ページをみると…

法人化した国公立大学では、
学部長の選考や教員の採用等の手続きは、
任命権者である学長・理事長の責任と権限の下で整備できる。
ところが、教育公務員特例法の適用下で策定された内部規則等がそのまま引き継がれている例が多々あり
⇒ 内部規則の総点検・見直し、教員の意識改革の必要性
(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/09/18/1351903_1.pdf、p. 6。 2025年12月8日閲覧)

たしょま
たしょま

「学長・理事長の責任と権限の下で」

「一連のガバナンス改革の議論に通底するのは、自主性・自律性が尊重される大学は、自ら率先して時代の変化に対応した自己改革を行っていくべきであり、また、そのために大学を内側から改革しようと努力している人々に対して、力強く支援すべきではないかという基本的な理念である。」
(出典同上、p. 4。)

たしょま
たしょま

「自ら率先して時代の変化に対応した自己改革を行っていくべきであり、」

たしょま
たしょま

つまり文科省が言いたいのは、これまでの大学は意思決定が遅いから、多少“独裁的”でもいいからスピード感を持て、ということ?

4、大学って真理とは何かを考える場所だけれど…

たしょま
たしょま

そもそも大学は、社会貢献のためにも、企業のためにも、存在しているわけではない!!!

たしょま
たしょま

「時代が変わっても変わらないものは何か?」(真理)ということを考え、議論する場が大学なんだよ!!※

たしょま
たしょま

それを模索している中で、社会に役立つようなものが生まれていくわけで…

たしょま
たしょま

もちろん、大学がきれいごとだけで動いているわけじゃなくて、お金のことを考えたり、ゼミでは教授が学生などに独裁していたりなどもあるかもしれない。

たしょま
たしょま

でもだからって 「大学は企業と同じでお金のことも考えたり、教授が独裁したりするから、企業のように独裁ができるようにしよう」という方向へ向かうのは問題を改善するどころか、悪化させてしまう。

たしょま
たしょま

「窃盗が頻繁に起こるなら、窃盗罪をなくそう」って内閣が言ったら、みんなその内閣を非難するでしょう?、

たしょま
たしょま

それと同じ!!!

たしょま
たしょま

そして、大学が企業の論理で動くことで、みんなが真理を見つけることよりも お金稼ぎのほうに向かってしまう!!!

たしょま
たしょま

それってあと一歩で結果的に社会に役立つようなものが出来上がるのに、大学が「お金がもったいない」、「お金にならなそう」だからという理由でその研究をやめることになって、実現されないってこともあるかもしれない。

たしょま
たしょま

これって、社会に悪影響を与えない???

たしょま
たしょま

だからこそ、私たしょまは今の学校教育法第93条には問題があるのではないかと思う!!!

※大学はプラトンが創設した「アカデミア」に由来すると言われている。そのアカデミアでは以下のようなことをしていたといわれている。

授業はプラトンの講義形式はほとんど行われず、議論によって真理を導き出そうとする問答法(ディアレクティケー)で行われた。

https://www.y-history.net/appendix/wh0102-139_1.html 2025年12月8日閲覧

問答法っていうのは簡単に言うと、「それって本当に真理なの?」、「真理である理由って何?」って質問するみたいなものだろう。

まとめ

・学校教育法の改正についての説明には「みんな(大学教員)がボク(文科省)の言うことを聞かないから、先生(国会)にお願いして言うこと聞かせよう!」という文科省の幼稚な発想が透けてみえる。

・その背景には企業の経済を活性化させる役割、独裁化して決断にスピード感を持たせる役割がある。

・大学は本来、真理探究の場であり、それを後退させることはあってはならない。

・企業論理の導入は学問の繁栄に悪影響を与える可能性がある。

・学校教育法93条など現行制度には問題があり、見直しが必要だとたしょまは考える。

コメント

タイトルとURLをコピーしました